最近の若者は・・・と考えてしまう自分がいる
若者の行動が全く理解できない
実際に、最近の若者はおかしいだろ!って思わず言いたくなるシーンもあると思います。
でも、下の年代に対して自分の価値観と違うことに違和感を覚えるっていつの時代にもある定番ネタなんですよね。
この記事では、若者の言動に違和感を持っている方と一緒に、世の中の変化や若者の行動原理を考えていきたいと思います。
✔この記事から分かること
■少し前から今の世の中は何が変わったのか
■最近の若者の特徴
若者がおかしいと決めつけずにニュートラルな目線でこの記事を読んでみてください。
最近の若者はおかしいと考える前に知っておきたいこと
冒頭でも書いた通り、価値観が異なるというのは若者に限らず普通のことです。
でも、若者との価値観のズレは、なぜか若者がおかしいと表現しがちなのが実態です。
まずは頭をニュートラルにしてもらうために、人間が相手に違和感を持ってしまう思考パターンについて説明していきます。
異質性バイアス
異質性バイアスとは、自分と異なるグループや価値観を持つ他者に対して、否定的なステレオタイプや先入観を持つ傾向を指します。
このバイアスは、人々が自己と同じグループや価値観を持つ者を肯定的に見る一方で、異なるグループや価値観を持つ者を否定的に見る傾向があります。
これは心理的な防衛メカニズムの一つで、多くの人で見られる反応の一つです。
実際に、世代間の違いだけでなく、人種や民族、宗教、性別、性的指向、障害、文化的背景など、様々な要素で社会的な不平等や対立が引き起こされています。
最近の若者がおかしいと感じてしまうこと自体は、人間の心がそうやって反応するようにできているので仕方がないことなんです。
異質性バイアスを克服する方法
つまり、ニュートラルな視点を作るというのは、異質性バイアスから解放されることを意味します。
その上で考えていかないと、やっぱり若者は(自分とは違うから)おかしいという結論で終わってしまうんです。
具体的な克服方法は以下4つです。
- バイアスについて理解する
- 自己のバイアスに気付く
- 情報を多様化させる
- 相手と共通点を見つける
バイアスについて理解する
まずバイアス自体について理解することが重要です。
ここでは異質性バイアスだけ取り上げていますが、バイアス自体はたくさんあるので、どういったものがあるのか理解しておくことが重要です。
バイアスの存在とその影響について学ぶことで、自己のバイアスを認識し克服するための基盤を築くことができます。
自己のバイアスに気付く
バイアスを一通り理解したら、自分のバイアスが何か特定してください。
自己省察を行い、自分自身がどのようなバイアスに陥りやすいのかを見つけましょう。
自分が特定のグループや価値観に対してどのような偏見や先入観を持っているのかを正直に見つめることが必要です。
物事の良し悪しは関係なくて、それが根拠の無いバイアスではないかと疑ってみる姿勢が大切です。
情報を多様化させる
テレビやSNSなどの特定のメディアや特定の有識者、インフルエンサーから情報を取っていると情報が偏ってしまいます。
そうしたメディアによってあなたの思想は誘導されているんです。
今までリーチしていなかった自分とは異なる視点や意見を持つ情報源に積極的にアクセスするように心がけてください。
コミュニティのイベントやグループ活動に参加することで、異なる視点や経験を持つ人々との関わりを広げることも有効な手段です。
共通点を見つける
異なるバックグラウンドや価値観を持つ人々と共通点を見つけることも効果的です。
共通の関心事や目標、趣味、価値観などを探し、そこに焦点を当ててください。
共通の領域を見つけることで、相互理解や共感を生み出すことができます。
また、異なる意見や視点を尊重しながら、建設的な対話を通じて共通の目標に向かって協力することが重要です。
少し前から今の世の中は何が変わったのか
頭をニュートラルに切り替えたところで、若者のバックボーンを理解していきましょう。
結局、今の世の中が昔と比べてどう変化しているかということです。
以下3つの視点で説明していきます。
✔今の世の中は何が変わったのか
- テクノロジーと情報アクセスの進化
- 経済的な不安定さや雇用環境の変化
- グローバル化による個性の多様化
テクノロジーと情報アクセスの進化
いうまでも無く、テクノロジーの進化と情報アクセスの向上が顕著ですよね。
スマートフォンやインターネットの普及により、私たちは日常生活でテクノロジーを活用しています。
例えば、スマートフォンを使って様々な情報に瞬時にアクセスできるようになり、インターネットの普及で世界中から新しい知識や情報を得ることが容易になりました。
さらに、ソーシャルメディアやオンラインプラットフォームの発展により、私たちは他の人とリアルタイムでつながり、情報や意見を共有することができます。
今の若者は小さい頃からこの環境に慣れているということです。
今後は、AIやビッグデータの技術の進展で、個々の好みやニーズに合わせた情報やサービスが提供される流れはさらに加速していきます。
経済的な不安定さや雇用環境の変化
経済のグローバル化や技術の進歩により、経済的な不安定さや雇用環境の変化が生じているというのも見逃せない変化点です。
競争の激化や自動化により、一部の伝統的な産業や職種が衰退し、新たな産業や職種が台頭しています。
一つの職場に居続けることが難しくなり、雇用の不確実性が増加する一方で、新しいビジネスモデルや技術の導入で、新たな雇用機会も生まれているという状況です。
また、フリーランスや副業の活動が一般的になり、働き方の多様化が進んでいます。
今の若者が社会に出た時に見る景色は、昔と全然違うわけです。
当然、若者は個人は自己のスキルや能力を継続的に向上させる必要性を感じ、キャリアの選択肢を柔軟に考える傾向が強くなっています。
グローバル化による個性の多様化
グローバル化の進展により、人々の個性やアイデンティティも多様化しています。
僕たちが10代の頃は、今ほど世界は近くなかったので、みんな同じような情報に触れて同じようなことをやって過ごしてきたわけです。
でも、今の若者は全然違う環境です。
異なる文化やバックグラウンドを持つ人々との交流や情報共有が容易になり、異質な視点や経験を持つ人々と出会う機会は増えました。
これにより、個々の人々は自己のアイデンティティをより多面的に考えるようになり、独自の価値観や興味を追求する傾向が強まってきています。
さまざまな文化やバックグラウンドからの影響を受け、個人のアイデンティティや表現が多様化していく流れです。
今の若者たちにとって、相互理解や共存の重要性が増していると言えます。
最近の若者の特徴(本当におかしいのか?)
激変している世の中で育った今の若者をもっと詳しく見ていきましょう。
良く見られる特徴として6つ挙げられます。
✔最近の若者の特徴
- テクノロジーへの熟達
- コミュニケーションの多様化
- グローバルな視野
- 個人のアイデンティティを重視
- 持続可能性への関心
- ワークライフバランスの追求
テクノロジーへの熟達
最近の若者は、デジタルネイティブと呼ばれる世代であり、テクノロジーに対する熟達が特徴的です。
先ほど説明した通り、彼らはスマートフォンやソーシャルメディアなどのテクノロジーを日常的に利用し、それらのツールやプラットフォームを駆使してコミュニケーションや情報の収集を行います。
そのため彼らはデジタル世界でのスキルやリテラシーを持ち、テクノロジーの変化に対して迅速かつ柔軟に適応する能力を持っています。
さらに、テクノロジーの進化によって生まれる新たな仕事やビジネスの機会に積極的に取り組んでいる人も多いです。
コミュニケーションの多様化
若者は、多様なコミュニケーション手段を使いこなす能力も持っています。
テキストメッセージ、SNS、ビデオ通話など、さまざまなツールやプラットフォームを活用して、リアルタイムで友人や家族とつながり、情報や意見を共有します。
彼らは適切なコミュニケーションのスタイルを使い分け、異なる人々との関係を築くことができるわけです。
また、オンラインでのコミュニケーションに慣れているため、地理的な距離を超えたつながりや国際的な交流にも積極的に取り組む傾向があります。
グローバルな視野
こちらも先ほど説明した通り、インターネットやソーシャルメディアの普及により、情報や文化の交流が容易になりました。
そうした中で、若者は異なる国や地域の情報やトレンドにアクセスし、多様な視点や価値観に触れる機会を得ています。
これにより、異文化理解や国際的な問題意識を持ち、グローバルな課題に関心が高い傾向があると言われています。
国境を越えたつながりを活かし、国際的なプロジェクトや交流活動に参加することで、相互理解や共同作業のスキルを磨いている人も多いです。
個人のアイデンティティを重視
先ほど少し触れましたが、近年の若者は自己のアイデンティティを重視する傾向があります。
彼らは自己の興味や価値観を追求し、自己表現や自己実現のために努力しています。
多様性や包摂性を重視し、他者の意見やバックグラウンドを尊重する一方で、自分らしさを大切にしているわけです。
彼らは自己を表現するためのさまざまな手段を活用し、創造的な表現や個性的なスタイルを追求することで、多様な社会や職場で自己を確立し、自己成長を促す一因となっています。
持続可能性への関心
持続可能性への関心が高まっているのも若者の特徴です。
最近SDGsとかってよく聞きますよね。
彼らは地球の環境や社会的な課題に対して積極的に関心を持ち、行動を起こす傾向があると言われています。
エコロジーへの意識が高く、自然環境の保護や環境負荷の軽減に取り組む一方で、リサイクルや再利用、エネルギーの効率化などの実践を積極的に行います。
また、持続可能な消費行動や社会的な貢献にも関心を持ち、企業や団体の社会的な取り組みを重視する傾向があります。
ワークライフバランスの追求
若者だけではないかもですが、特に若者はワークライフバランスを重視する傾向が強まっています。
彼らは仕事だけでなく、趣味や家族との時間、自己成長やリフレッシュのための時間など、生活の様々な要素をバランス良く取り入れることを意識しています。
自己の幸福と充実感を大切にし、働き方やキャリアの選択において、ワークライフバランスの実現を追求しているんです。
効率的な働き方やフレキシブルな労働環境に積極的に取り組む一方で、個人の幸福や充実感を追求するために、プライベートな時間や自己成長のための時間を確保することも重視します。
がむしゃらに仕事して給料が多いと嬉しいという価値観とは、真逆な考え方ですね。
最近の若者と上手くやれるかは今に適応できるかどうか
改めて世の中の変化を考えてみると、僕が10代だった時代と大きく変わっていることを思い知らされました。
その上で最近の若者の特徴を考えると、そんなにおかしいものではないと思います。
むしろ、この価値観に違和感を持ってしまうのは、自分が時代の変化に取り残されているという兆候なのかもしれません。
僕は、最近の若者について考えてみて、そんな風に自分に対して危機感を持ちました。
もちろん、僕らにも若者には無い強みや経験があります。
結局のところ、お互いに謙虚な姿勢で相手から学ぶというのが、今の時代を生き抜いていくためには必要なんだと思います。